04.Dec.2017
by Shinkichi Mizutani

パームオイルと熱帯雨林

水谷です。

先日、インドネシアに行ってきました。

向かったのはジャカルタから国内線を2本乗り継いで、東カリマンタン州北部の街ベラウから車でさらに5時間の奥地。

目的は、天然林の低インパクト伐採(RIL)を導入している現場を訪問することでしたが、その周辺ではオイルパーム(アブラヤシ)のプランテーション地平線まで広がっている光景を目の当たりにしたのです。DSC_0604

見たところ植えられたパームはまだ小さいので、開発されてからまだ日が浅いと思われます。それもそのはず、この土地はとある企業が1970年代からコンセッション(使用権)を保有する天然林だったものの、数年前からパーム企業が進出して今やプランテーションへと転換されてしまったとのこと。

その面積はざっと2,000ha。

だいたい東京都港区と同じくらいの広さの天然林が、一瞬にしてプランテーションへと変貌してしまったわけです。

車での移動中、巨大なオイルミル(搾油工場)にも遭遇しました(日没後だったので撮影できませんでしたが。。。)

 

増え続けるパームオイルの生産量

インドネシアは世界のパームオイル生産の5割を超えます。隣国のマレーシアと合わせたシェアは85%超。しかもその生産量・作付け面積は年々伸びています。

ちなみにパームオイルは日本で年間70万トンが消費されていて、うち8割がインスタント麺やスナック菓子などの食品向けに、残りの2割が石鹸やシャンプー、洗剤などに使われています。※

原材料名に「植物油脂」と書いてある場合、その中身はパームオイルである可能性が高いです。

つまり我々は、無意識のうちに消費者として熱帯雨林へのインパクトを与える加害者になっているのかもしれないんですね。

かといって、パームオイルを全く使用しないという選択肢は現実的ではありません。

それに代替するものがない以上、パームオイルという素材はとても使い勝手がいいんです。ですから、ボクはパームオイルそのものは否定しません。

100かゼロかではなく、パームオイルと森林の持続可能性を模索していくことが大切だと思っています。

では、我々消費者とすればどうしたらいいでしょうか?

2004年に、「持続可能なパームオイル円卓会議(RSPO)」が設立されました。RSPO認証では、

・法令の遵守

・特定農薬の使用抑制

・保護価値の高い(High Conservation Value)森林の評価

・労働者の権利

・地域住民/先住民の土地権の尊重

などといった基準が採用されています。

case_001-1

しかし残念ながら、日本ではこの認証ラベルを導入する企業はまだ多くありません。

まずはこうしたラベリングを付与した製品を応援し、認証付き製品をもっと増やすべきだというメッセージを消費者レベルからも発していくことも重要です。

ちなみに東京オリンピックでは「持続可能性に配慮した調達コード」を設けており、今後パームオイルもその対象になってくる見込みです。

ただし設定した基準が緩いと、「やってます」ポーズだけで終わってしまいます。きちんとした調達基準を設けることで、前述したような基準が満たされた原料のみが使用されることが「レガシー」になるんじゃないでしょうか。

 

ついにバイオマス発電にまで、、、

それと最近、気になる動向があります。

それは、パームオイルを燃料として使用しているバイオマス発電所がFIT(電力の固定価格買い取り制度)認定を受け始めている、という流れです。

そもそも日本のFITは、林地残材など日本の山林に眠る未利用材を有効利用することからスタートしたはず。しかし今の流れは完全にその逆で、輸入ペレットやPKS(パームの搾りかす)はおろか、ついにパームオイルまで認められる始末。。。

EUでは逆にバイオマスへの利用を制限する方向なのに、これでは日本のエネルギー政策がガラパゴス化してしまいます。

※パーム油調達ガイド http://palmoilguide.info/

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