11.Nov.2015
by Shinkichi Mizutani

インドネシアの大森林火災とオランウータン

いま、インドネシアでは大規模な森林火災に見舞われています。

プランテーション(農園)の開墾やパルプ生産などを目的とした野火が主な原因と言われています。

その被害は深刻で、すでに東京都の8倍(170万ヘクタール)が消失してしまったとか。

WIRED 【インドネシア「森林火災の深刻さ」を示す衛星写真】

通常、インドネシアでは10月頃から4月頃までが雨季ですが、エルニーニョ現象の影響か、このまま雨季入りが遅れてしまうと火災が長期化する可能性もあるようです。

森林火災は様々な悪影響を及ぼします。

まずは煙害(ヘイズ)。火災による煙は隣国のシンガポールやマレーシアにまで達し、大気汚染指数の悪化、学校の休校、航空機のキャンセルなどが相次いでいます。

NEWSWEEK日本版 【インドネシアの煙害は「人道に対する罪」レベル】

それとCO2の排出。森林が燃えるということは、樹木が蓄積した炭素が二酸化炭素として再び大気中に放出されることを意味します。

business newsline 【インドネシアの森林火災、1か月半でのCO2排出量は米国の年間排出量を超える】

DSC_4859DSC_4924 カリマンタンの森林火災(写真は今回の火災ではありません)

 

ボクはmore treesが立ち上がる前の2000年代初頭、まさにインドネシアのカリマンタン(ボルネオ)島で熱帯雨林の再生に関わる活動をしていました。

当時は1997~98年の大森林火災の影響がまだ残っている時期でした

(インドネシアでは、1982~83年、1997年~98年、そして今回2015年と15~20年くらいの周期で大森林火災が発生していることになります。。。)

当時は植林と共に、オランウータンのリハビリセンターのサポートにも従事していました。年に2~3回のペースで体験ツアーを開催していて、その時はツアーのアテンドをしつつリハビリセンターを案内していたりもしていました。

そのリハビリセンターの敷地の一部も、ついに延焼してしまったんです。

1,852ヘクタール(東京ドーム400個分)の敷地のうち、すでに200ヘクタール以上が燃えてしまったという情報もあります。(幸い、センターで保護されているオランウータンや職員は今のところ無事だとか。)

【Resurgent Forest Fire Engulfs Samboja Lestari】

今年の2月にスタッフを連れてセンターを訪問しました。その時に植樹した苗木も心配です(植樹した時はとてつもないスコールでしたが。。)

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↑ 2015年2月訪問時。この時はバケツをひっくり返したような大雨でした

オランウータンはインドネシア語で「森の人」を意味します。一生のほとんどを樹上で過ごす彼らにとっては、森林火災イコール住処そのものを失うことなんです。

ちなみに、火災や密猟で「孤児」になってしまったオランウータンは、すぐに自然には帰れません。

オランウータンは通常、6~7歳になるまで母親とつきっきりの生活をします。その間に巣の作り方やえさの取り方などを学んだ後に独り立ちします。

リハビリセンターでは、そうしたトレーニングを積んだのちに森にリリースする活動をしています。

(近年ではリリースできるような豊かな森が減っているという問題もあります)

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more treesでは、フィリピン・キリノ州での森林プロジェクトに続く海外でのプロジェクトを模索中ですが、火災後の荒廃地を再生していくお手伝いが僕らの次なるミッションになってくるかもしれません。

 

水谷伸吉

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